本藍とは
毎年夏に刈り取られる藍草を乾燥させて小さく刻み、暗いところに放置し自然発酵をさせる。そこから本藍染料の元である「すく
も」ができあがります。この「すくも」から藍の色素であるインジゴを抽出して染料を作る「藍建て」を行い、初めて本藍の染料が
出来上がります。本来インジゴは水に対して不溶性です。これを可溶性にする為に発酵させるのです。
・本藍パート2(余談)
通常はこの本藍とケミカルインディゴ等を混ぜたものを使用しています。これは本藍100%では濃度が上がらずどうしてもコスト高に
なってしまう為です。最近ではナチュラル思考、本物志向が高まり、天然染料を混ぜた物が出ています。たとえば草木染料の中で強
い染色能力がある「夜叉ぶし」などがあります。しかし今回のサークルRでは異染料を一切混ぜない「本藍純度100%」の物をあえて
使用しました。(厳密にゆうと“ほこり”“雨”などが混ざる場合も有りますが…)
ちなみに本藍インジゴとケミカルインディゴの化学式は同じです。
・縦糸(たていと)
今回使用する縦糸は「枷染め」という手法で染めています。枷染めとは枷状(ループ状態)にした縦糸の束を職人が手作業で何度も
何度も染めていく手法です。それを天日乾燥し完成させます。(現在のデニムの縦糸は量産出来る様、「ロープ染色」という手法で
染めております。これはほとんどの工程が、自動化されています。)
・経糸(よこいと)
大麻の長い草を腐らし、繊維質のみ採取し、特に長い繊維質のみを水の中で撚るウエットスパン(潤式紡績)という手法で撚り上げ
た糸を使用。水の中で撚る事によってより強いネップ感、ムラ感が表現できます。またウエットスパン(潤式紡績)によりヘンプか
ら発生するペクチンが糸の表面のみならず、内部にまで浸透し、全体をコーティングする為、独特の素材感光沢感がでる。反発感が
なく糸切れしやすい為、旧式の力織機でしか織れない。
・旧式の力織機
いわゆるシャットルと呼ばれている織機の中でも初期型の織機を使用しています。ビンテージジーンズに使用されている耳付きデニ
ムもシャットルで織っていますが、より回転数の遅い旧式(初期型)の力織機を使用し織り上げています。旧式の力織機を使用しヘ
ンプ糸が切れない回転数で織ると一台の織機で1日1反〜2反(1反/50m)
・フィット
若干細めのシルエットを使用しています。これは従来のビンテージでは「史実に忠実」という枠にはめられて出来なかった、マーケ
ットニーズに対応したフィットです。しかし本藍染めジーンズという一部コレクターの方達にも買って頂けるよう、若干レギュラー
寄りになっています。
・縫製糸
綿糸を使用。全ての縫製個所に綿糸を使用しています。力のかかるところなどはより太い綿糸を使用するなど、ビンテージジーンズ
のノウハウをつぎ込んでいます。
アーキュエイトステッチは今回のサークルR用に開発した太番手の糸を使用。これは20番糸を3本より合せて作った糸を、さらに3本
より合せる手法で表現いたしました。
糸企画で言うと「20/S 3x3」になります。
・縦糸(たていと)
濃色にする為、生糸の段階で一度反応染めを行なったあとに、ケミカルイインディゴで枷染めを行うという、「2回染め」を施した
特別な糸を使用しています。これはR1001の淡色インディゴの対局に位置する特濃色です。
・横糸(よこいと)
R1001と同じ「潤式紡績」で紡いだヘンプ100%の糸を使用しています。
大麻の長い草を腐らし、繊維質のみ採取し、特に長い繊維質のみを水の中で撚るウエットスパン(潤式紡績)という手法で撚り上げ
た糸を使用。水の中で撚る事によってより強いネップ感、ムラ感が表現できます。またウエットスパン(潤式紡績)によりヘンプか
ら発生するペクチンが糸の表面のみならず、内部にまで浸透し、全体をコーティングする為、独特の素材感光沢感がでる。反発感が
なく糸切れしやすい為、旧式の力織機でしか織れない。
・ヘンプデニム
「2回染め」を施した縦糸と「潤式紡績」で紡いだ横糸、をシャットルでゆっくり織り上げる事により、通常のデニムでは表現でき
ない凸凹感とネップ感が表現できます。加えて横糸全体を覆うペクチンにより、独特の光沢感がある生地に仕上がっています。
・耳(セルビッチ)
耳部分も濃色の縦糸とグリーン糸を平織りで表現いたしました。
(耳以外の部分は通常の3/1の右綾デニムです。)
・経糸(よこいと)
この「2/2のサージデニム」用に特別に開発した「ヘンプ50% / コットン50%」の混紡糸を使用しています。これはヘンプの素材感を
残しながら、綿と混紡する事で強度を高め、“「2/2の右綾」をシャットルで織る“という特殊な技術を取り入れています。
・耳(セルビッチ)
平織りの白耳の中に「2回染め」の特濃インディゴ糸を3本/2本/3本で平織りにした物を使用。 耳部分のコンストラクショション
外側から3本 2本 3本 (縦糸の本数)
↓ ↓ ↓
白 紺 白
・フィット
R1001本藍デニムモデルと比べてヒップ、腿、ひざ、裾にかけて約マイナス1インチ、
フロントの股上で27インチ、と全体的にタイトなシルエットになっています。